超零細浦和系サイト　ＳＳＲＳ　浦和レッズサポーターを正しく理解するために

はじめに

我々レッズサポのサポートスタイルに関し、他チームのサポからやっかみにも似た雑音が聞こえてくる。

やれ、マスゲームのようだ、とか、怖い、とか、のべつまくなしに叫んでいる（あるいは歌っている）、
とか言いたい放題である。

またその一方で、迫力がある、とか、かっこいい、とか、人数の割りには驚異的に統率が取れている、とか、
我々のサポートを好意的に捉え、自らのサポートスタイルの参考とする他チームサポも存在する。

しかし、スタンスの違いこそあれ、ワタシに言わせればどちらも認識が甘い。
所詮我々のことを表層的に捉えているに過ぎないのだ。

彼らは我々レッズサポがいかに血の滲むような努力をしているのか知らないで
好き勝手なことばかり言っているのだ。

そこでワタシは決意した。

レッズサポの間では厳重に口外が禁じられている秘密がある。
サポートの勢いを常にＭＡＸに保つことを目的とし、サポの間に緊張感を持続させるため、
門外漢には洩らすことを固く禁じられている秘密が。

でもワタシは鉄の掟を破りここに書いてしまうことを決めた。

これから書く文章は、レッズサポにとっては至極当たり前のことなので何の面白味もないかもしれない。
また、もしかしたらこれを見た上層部から駒場や埼スタへの出入り禁止を言い渡されてしまうかもしれない。

しかし、これにより我らレッズサポに対する正しい理解と評価が定まればこんなに嬉しいことはない。

１．資格

よく「こんな人にはサポーターを名乗る資格がない」とかいう言い回しがされることがある。
しかしレッズサポには本当に文字通りの資格が存在するのだ。

それは全部で６段階設定されている。
それぞれの等級について解説してみよう。

５級

希望した者にすべて与えられる等級。いわば「サポ見習い」といえる。
この等級を取得すると、チケットを購入しスタジアムで観戦することが許されるが、
観戦時は拍手と歓声のみ可で、コールに参加することは許されない。

４級

５級を１年間経験した者は昇級試験への受験資格が与えられる。
逆に言えば、試験に合格しないと４級に昇級できないのである。

但し試験と言っても簡単なもので、筆記試験のみ、
それも直近１年間のゲームや選手に関する問題がほとんどである。
４級を取得すると、シーズンチケットを購入することが許される。
しかし最近は４級の保持者が非常に多くなっており、
シーズンチケットのキャンセル待ち者も増える一方である。

３級

３級への昇級試験も筆記試験のみだが内容は格段に難しくなる。
それは、この等級を取得して初めてレプリカユニフォームを着ることが許されるからである。
それこそ、初期の頃のゲームの審判やらサテライトの選手、果ては選手の髪型の変遷まで
暗記していないと到底合格はできない。

浦和の須原屋書店には専用の問題集のコーナーがあるし、県内の図書館では、受験生に混じって
赤いＴシャツを着たサポーターの卵たちが死に物狂いで勉強しているのは珍しい光景ではない。

２級

２級を取得して初めてクルヴァ（アウェイの場合はゴール裏）に足を踏み入れ、
コールに参加することが許される。昇給試験は、筆記と実技が課される。
筆記試験にはレッズのことばかりではなく、例えば、
「アウェイ○○スタジアムへ最も安く行ける方法は？」
といった問題も出題される。

実技はコール。歌詞や言葉を正しく言えるかだけではなく、声の響きや喉の耐久力まで審査の対象となる。
よくレッズのコールを指して「野太い」と表現されるが、男女ともこの実技試験を突破するための
反復練習で喉を潰してしまうのが理由であるとされる。

１級

２級からの昇級には筆記試験は課されない。何故ならば、ここから上は体力勝負となるからだ。
つまり１級とは、クルヴァの中心で９０分間飛び跳ねながらサポートを続けることができる者だけに
与えられる等級なのだ。だから当然試験は体力測定のみ。９０分間耐えられる持久力、
ゴールのとき即座に飛び上がれる瞬発力、相反する要素とされる２つの能力が同時に要求され、
ある意味選手よりも体力が求められると言っても過言ではない。

特級

サポーターの頂点である。１級の中からそれにふさわしいと認められた者が、
浦和サポーター審議委員会（通称浦審）の推挙を受けて初めて昇級できる。
多分に名誉等級であることは否めないが、ゴール裏に旗なりダンマクなりで名前を出せる
サポーターグループには、特級の保持者が必ず１人以上所属していなければならない。

因みに、ワタシは２級の保持者である。
大学に入るときの３倍は勉強し、専属のボイストレーナーの下でトレーニングをした結果
何とか２級までは取得できたが、如何せんサポを始めた年齢が遅かったため
体力面でどうしても１級の壁は突破できなかった。

なお、ワタシが所属しているＮＵＲＵは、いつもサポーターグループではないなどとうそぶいているが、
実は構成員の殆どが中高年であるため、体力面がネックとなり１級以上の取得者がいない。
よって団体名を掲示できず、
そんなのカッコワリーからサポーターグループを名乗るのはやめようぜ。
というのが本音なのである。

近頃は２級以上の保持者が増え、新たな問題が発生し始めている。ゴール裏のキャパ不足の問題だ。

もともと、埼玉スタジアムは４万人規模で建設される予定だった。
それを最終的に６万人にまで増やした理由として巷間では埼玉にＷ杯の決勝戦を誘致するためだったと
言われている。

しかしそれは事実とは異なる。

埼スタを６万人規模としたのは
増え続ける２級以上の保持者をすべて収容するためである。

２．トレーニング

前述の通り、我々レッズサポは常にそのレベルアップを等級という尺度によって明示される訳であるが、
これをもって満足しては十分とはいえない。いやむしろ質的向上がなければそれはまったくの本末転倒、
かつ無意味なものになってしまうだろう。

質的向上を図る手段、それはつまりサポートのトレーニングである。

これを行うことにより初めて、他チームから驚異と言われる統率の取れたコールが可能となる。

トレーニングは原則毎週水曜日毎に開催される（水曜日にゲームがある場合は木曜になる）。
時間は一般の会社の終業時間に合わせ午後７時から約２時間程度行われる。

場所は、参加人数が変動するため多少流動的であるが、一番多いのは浦和区にある埼玉会館大ホール
であろうか。

トレーニングメニューは、当然のことながらコールの発声が一番多い。

野球の練習に「１０００本ノック」があるのはご存知だと思う。
相撲にも「ぶつかり稽古」なるトレーニングがある。
要は、ぶったおれるまで何度も何度も繰り返し行われる反復練習のことである。

コールのトレーニングもこれに近い。いわば「１０００本コール」である。

一旦このトレーニングが始まると、喉がかれようが血を吐こうが止めることは許されない。

もちろん多少声がかすれても裏返っても、極端な話、声が出なくなっても発声をしている限りは問題はない。
しかし、もし息が合わず発声がずれたり、発声をサボる者が出た場合は、もう一度最初からやり直しとなる。

サポの間で最もキツいとされているのは「ＰｒｉｄｅｏｆＵＲＡＷＡ」である。
１セット（コールの１コーラスをセットと呼ぶ）が長いうえに、手を上げ下げせねばならないので
身体的にも負荷がかかるからだ。

因みにサポが最も好きなのは「ゲットゴール福田」。
福田人気はもちろんだが、１セットが短いからである。

なお２００２年からは、埼玉全県下に広がるサポの要望に応え、熊谷（県北部）、川越（県西部）、
越谷（県東部）でも分散開催されることになった。

しかしそのことにより全サポが声を合わせる機会が無くなることが危惧されたが、
クラブの粋なはからいでその場が用意されるに至った。

２００２年から始まった、年１回シーズン開幕前にさいたまスーパーアリーナを借り切って行われる、
表向きは「レッズフェスタ」と称されるイベント。
実はあの場で全サポが集まって秘密のコールのトレーニングが行われているのである。

今年は、会場に横浜サポーターとお笑いタレントが潜り込んだが、ギド監督のとっさの機転で、
奴らの気をそらすことが出来たため、今年も秘密は守られた。

今後の課題は、東京、神奈川、千葉等関東近県のサポ（彼らは現在このために毎週浦和まで通っている）
への対応である。

今のところ、週に一度関東近辺の体育館や区民、市民会館を転々とするのが良い（通称ドリフ方式）
という意見が大勢であるが、ある路線を決めその沿線を移動するという案（通称ぶらり途中下車方式）
もありまだ決定していない。

３．日常生活

当然のことながら、レッズサポの日常生活にもレッズの影響が及ぶ。

もちろん車は三菱車であり、色は赤に決まっている。嘘だと思うなら、浦和駅前の伊勢丹の駐車場に
行ってみるがよい。赤いパジェロ、赤いコルト、赤いグランディスがずらりと並ぶさまは壮観である。

レッズ後援会長を務める現さいたま市長の公用車なぞ赤いデボネアである。

バスに乗る時は、たとえタイヤが外れようがひたすら三菱ふそう製のバスが来るのを待つ。

急いでいるときに限って日野やいすゞのバスしか来ず、わが身の性を恨んだ経験はほとんどの
レッズサポが経験しているだろう。

ビールは基本的にキリンしか飲まないが、レッズナビのスポンサーであるアサヒも最近は気になっている。
パソコンはコンパックからＨＰに代替したし、昔はワードパーフェクトというソフトを使っていたことがある。
子供には買い与えるマンガは少年マガジン、ゲームソフトはサカつく。
埼玉縣信用金庫で住宅ローンを組んでトーシンのマンションを購入し、Ｍｏｖｉｎｇで引越しをする。
不測の事態に備え明治安田生命で保険に入り、三菱電機製のテレビを観る。

アンケートの結果、なんとレッズサポの９６％はそう答えている。

そしてこれが最も重要なのだが、
レッズサポは日常生活を営む時間の５０％以上はレッズのことを考えている。

つまり残りの５０％でレッズ以外のことを考えねばいけないので大変だ。
どうしても優先順位を落とさねばならないことが出てくるのはやむを得ない。
どうしても何かを犠牲にせざるを得ない。
人によっては、それが仕事だったり、家族だったり、恋愛だったりする。

レッズサポには極々常識的な普通の人が多い。

でもよくよく話を聞いてみると、

行動力もリーダーシップも人並み以上なのに、会社ではヒラ社員だったり、
非常に温厚ないい人なのに、家庭が崩壊してたり、
すんごくイイ男なのに独身で、しかも彼女すらいなかったり、

というふうに、どこか一部分、何かしら欠落しているのである。

だけど、本人たちはそのことを全く不幸だとは思っていない。
彼らにとってはむしろレッズをサポートできなくなる方がよほど不幸なのだ。

レッズサポに憧れその姿を真似しようとする者は、そこまで覚悟をする必要がある。

もしも貴方（貴女）が、

綺麗な妻（あるいは素敵な夫）と結ばれ、

会社では出世街道に乗り、

暖かい家庭を築いていきたいと、

少しでも望んでいるのならば、即刻レッズサポに憧れるのを止めることをオススメする。

おわりに

我々レッズサポがいかに努力をし、今の姿を作り上げてきたかおわかり頂けただろうか。

しかし、レッズサポたちは決してこれが到達点ではないと思っている。
というより、もしかしたら到達点なんていう概念を持っていないサポが大半なのかもしれない。

なぜなら、サポートの目的は、チームをサポートすること以外の何者でもないからだ。

かつてトレーニングを毎週埼玉会館で行っていることををうっかり浦議に書いてしまった
あるサポーターは、２試合の駒場への出入り禁止の処分を受けたそうだ。

よってここまでのことを暴露してしまったワタシは、それによって今後駒場や埼スタへ出入りが
永久に出来なくなってしまうかもしれない。

たとえそうなったとしても、ワタシはずっとレッズを愛しサポートし続けていく所存である。

追記

このページに書いたことを疑う人は、このページの壁紙を無心になって静かに見つめてもらいたい。
そうすれば自ずから真実が判るであろう。

（完）

追記．さらに正しく理解したい場合はこちら。