１．虚偽報告
それは今季初勝利に酔っていた広島戦のあとだった。
「にゃんたさんたち、来週仙台へ行くんですか？」
東大宮ごんさんから唐突なご質問。言葉を濁していると、ＴＡＮＥＺＯさんに向かって
「きっと行かないとか言っといて、木曜か金曜くらいにトップページに出るんだよ。
『私たち仙台へ行ってきま〜す』って。」
ドキッ！
総裁のＳＳさんはそのやりとりを見ながら笑っていたが、金曜日になって、
そのＳＳさんからにゃんたのところへ電話がかかってきた。
「あした、仙台へ行くの？」
にゃんたは「い〜え、あしたは行きません。」と言って電話を切ったのだが、
これはあながち嘘ではなかった。何故なら、仙台戦があるのはあさっての日曜日であり、
しかも日帰りだったからだ。
私にゃんた２号は、妙な使命感に燃えていた。
仙台戦はＢＳで放送があるため、別にわざわざ現地へ出かけなくても観られることは
分かっていた。しかも前の週末（しかも日曜日！）に万博まで遠征したうえに引き分けと、
心身ともに疲労困憊していた。
しかし、仙台にはヤスがいる。
ヤスが仙台サポの声援を受けている様子をこの目で確かめたい。ヤスが移籍したおかげで
知り合えた仙台サポのＲＯＭさんやせぴっちさんも熱心に誘ってくれている。
そしてそれより何より
我々が行かないと、仙台サポに圧倒されるんじゃないか？
選手もサポも。
てな尊大な思い込みが私に仙台行きを決意させたのである。
今だから白状するが、実は広島戦の時点では試合のチケットも新幹線の切符も全て入手済み
だった。ＳＳさん、ごんちゃん、ＴＡＮＥちゃん、ごめんなさい。
もっともお仲間の皆さんには、アレックスに対しての暢久以上に、行動パターンを読まれている
我々です（苦笑）。
２．定時到着
「べ〜が〜る〜た せ〜んだい ご〜！ ゆくぞせ〜んだい！」
すっかり憶えてしまった唄を口ずさみつつ
（なにしろ我々は仙台の昇格試合を生で観ている）、
その週の仕事を適当に片付け
（なにしろ私は最近適当過ぎてやばい立場になりつつある←実話）、
土曜日にｔｏｔｏが玉砕したのを確認してから
（なにしろ私は最近ｔｏｔｏの逆マイスターと呼ばれている）、
４月７日日曜の朝、我々は新幹線で仙台に向かった。
新幹線は、前回の札幌のときのように事故で立ち往生ということもなく、無事定刻に仙台駅へ。
まもなく仙台とのアナウンスに促されデッキに出て窓から街を眺める。
いつ来てもいい街だと思う。
ベガルタはこんないい街に住む人達の、いわば象徴的な存在として愛され、育てられて
きたんだろう。本当に幸せなチームである。だけど今日だけは負ける訳にいかない。
レッズの選手たちよ、お前らも相当幸せなチームなんだということを俺達が分からせてやる。
だからさ〜〜〜、本当に頼むよ〜〜〜、今日は勝ってくれ〜〜〜〜〜。
強気なんだか弱気なんだかわからない想いを抱きつつ、在来線に乗り換えて利府駅へと向かう。
仙台から１５分、電車は利府駅の狭いホームに滑り込んだ。
実は私にとって利府は２０年ぶりなのだが、前回の記憶がまったくないため、
こんなに変わったのかという驚きとも、まったく変わらないなあというノスタルジーとも無縁である。
以前読んだ推理小説を、２回目も３回目も新鮮な気持ちで楽しめる理由はこのへんにある。
でもこれこそが、２部落ちをしようが監督が途中で電撃退団しようが、懲りずに応援を続けられる
原動力なのかもしれない・・・。
そんなこんなで、埼玉から３時間で宮城スタジアム（以下利府スタ）に着いてしまった。
実は埼玉北部に住む我々にとっては、横浜国際まで行く時間とあんまり変わらなかったりもする・・・。
思ったより長いアウェイ側の並びに付いてすぐ、にゃんたはお手洗いに行ってしまったが、
どうやら大変混んでいるらしくなかなか帰って来ない。
退屈してあちこちを見回していると、遠くのホーム側の並びの付近で何やら子供の輪ができている
ことに気づいた。よく見てみると、その輪の中心にいるのは
おお！ あれこそはベガッ太君ではないかっ！！
マスコットフェチの私としては当然ほっておくことなど出来ず、デジカメを握り締めてその輪に
向かって全速力で駆け出していた。
でその感想だが、ひとこと「レディアの完敗」。
さて念願（？）のベガッ太君にも会えたし、あとはＲＯＭさん、せぴっちさんにお会いするだけである。
せぴっちさんはスタッフとして運営を手伝うとのことだったので、もしかしたらお会いできないかも
しれないが、ＲＯＭさんには是非背番号２０（ヤスの番号）を縫い込んだレプリカを見せてもらい、
あわよくば着させてもらわねばならない。
ＲＯＭさんの携帯に電話をしたところ、ちょうどクルマでスタジアムの駐車場に着いたとのことだった。
しかしベガルタ戦初めての利府スタだからかホーム側はかなり混雑しているらしく
待てども待てども「背番号２０」は現れない。そのうち開場時間になって並びの列が動き始めて
しまったため、やむなく「入場後にお会いしましょう」との連絡を入れて、とりあえず入場して
しまうことにした。
入場後も通路でホーム・アウェイは行き来できることは係員に確認していた。
Ｗ杯の予行演習と聞いていた割にはゆるい荷物チェックを受けて入場し、通路をホーム側へ
向かって早足で歩く。しかし通路はたちまち行き止まり、そこにはホームとアウェイを仕切る
ゲートと警備員ががっちりと配置されていたのであった！！
ガ〜〜〜ン！ これじゃあＲＯＭさんに会えないよぉ・・・。
（以下、中編に続く）
さてにゃんたとにゃんた２号は、果たしてこの空前絶後のピンチを乗り越えて
ＲＯＭさんに会って背番号２０のレプリカに袖を通すことができるのだろうか！
そして大混雑に巻き込まれてしまったＲＯＭさんの運命やいかに？
待て、次号！