５．ええっ 知らなかった！！
ドームからの帰りは、Ｓちゃんの車にのせてもらった。
にせどさんこと称する彼女の実家は埼玉にある。
結婚してダンナの故郷の札幌に数年前に移住したのだが、それも感じさせず、
裏道をすいすいと行くさまはまるで随分昔から地元に住んでいるかのようだ。
やがて道の向こうに「とんでん」の看板が見えてきた。
我ら埼玉県人にとってはおなじみの和食のレストランだが、
そういえば、北海道が本社なのだった。
「わーい とんでんとんでん」 今度は私が盛り上がった。
それにしてもこの夫婦は、自分の知っているものを見つけると、
とりあえず騒いでしまうという
修学旅行の小学生のような特性を備えている。
まったくもう４０も近いというのに・・・。
そのとき、それを聞いたＳちゃんから、衝撃の事実が告白されたのである。
「私、最初こっちへ来たとき言われたんですよね、Ｓちゃんそれは違う、
あれは『とんでん』じゃなくて『とんでん』なんだよって・・・。」
ええっ！ そうだったのか！ 知らなかった！
さてこれを読んでいる埼玉の方に質問です。
いま上の文をどう読みましたか？
そう、『とんでん』ですよね。
『勘弁』『新年』『観念』そして『とんでん』ですよね〜。
赤いほうはその読み方でいいんですが・・・、
正しくは青いほう、『と・ん・で・ん』
『宣伝』『感電』『検便』そして『とんでん』なんですって。
知ってました？ 今明らかになる衝撃の事実！！
因みに、やはり埼玉でもおなじみの北海道に本社のあるファミレス『びっくりドンキー』は
『びっくどん』というそうだ。
小樽で見つけた「びっくどん」
６．虹と雪のバラード
翌日、目を覚ましたのは９時だった。
よく考えてみれば、昨日は朝の５時に起きてから、宴会後Ｓちゃんと別れて
（ど〜もお世話になりました 帰省したときは寄ってね）
ホテルに戻った夜中の１２時近くまでずっと起きていたんだもんな。
朝食を買いにホテルの外へ出てみるとなんと雪が降っていた。
さすがにこの季節だからか、少しみぞれまじりではあったが、
とにかく雪、それもどしゃ降りの雪なのである。
地元紙の道新スポーツは当然のようにコンサ残留決定がトップである。
それもご丁寧に「俺ゴール」の写真入り。
また、一般紙の北海道面には昨日の人身事故のことがのっていた。
やはり被害者は亡くなったようだ・・・。
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帰りの飛行機は午後３時発なので、それまで北大のクラーク像を見に行くとか、
羊が丘へ行ってドームを上から眺めるだとか、
野々村が家族で出演しているＣＭが放送されるまでＴＶを見続ける
とかいろいろ観光のプランを考えていたが、この雪でいまいち億劫になり、
とりあえず、我々は空港へ向かうことにした。
空港で、ウニやイクラやカニをたらふく食べ、土産をしこたま買ったら
することがなくなった。仕方がないので、展望デッキに行って、
次々と離陸する飛行機をずっと見ていた。
そういえば帰りの飛行機もＪＡＳ、往きはエアバスだったけど、
今度はボーイング７７７。ＪＡＳではこいつを「レインボーセブン」
とか称しているらしい。
待てよ、レインボーって虹？
今日の天気を絡めると、まさに「虹と雪のバラード」
ではないか！？
時は１９７２年、「虹と雪のバラード」をテーマソングとする
札幌冬季オリンピックが行われた。幼きころの記憶に残るのは
やはり「飛んだ決まった」の日の丸飛行隊であろう。
コンサドーレ札幌は、今年３年振りのＪ１を見事開幕ダッシュで「飛んで」みせ、
昨日無事にＪ１残留を「決めて」みせた。
金がないだの倒産寸前だの言われながらも、なかなかどうしてしたたかな
チームではないか。
どこかの、金はあるのにいつもとんちんかんなことばっかりする
チームの人たちには是非見習ってもらいたいものだ、
そんな思いを抱いて北海道を後にしたのだった。
（完。 次のアウェイツアー記をお楽しみに）
すぺしゃるさんくすとぅ 画像提供してくれたTANEZOさん
おまけ
今はなき７番を着てはしゃぐ青年部長 |
「俺」の表紙のマッチデー |