Ｈ君は、はっきりと数字に残る営業成績で見れば、確かに
Ｔ君やＥ君に劣るかもしれません。

しかしＨ君は協調性が非常に高いため、Ｔ君やＥ君の能力を
１００％以上引き出しているのかもしれないのです。

代わりに異動させようとしているベテランが、Ｈ君より個々の
能力で勝っているとしても、Ｔ君やＥ君の能力が今まで通りに
発揮されるかどうかはわかりません。

まあ確かに、そのベテランがＨ君より更に活躍して、Ｔ君やＥ君
も今まで通りの働きをするなら、お客様は何も言わないでしょう。
いやもしかしたら、今まで以上に賞賛されるかもしれませんね。
結局のところ結果が全てですから、この世界は。

だからＨ君を異動させるということが一概に悪いとも言えない
訳です。


ただ、今の時点で言えることは、Ｈ君を異動させるときには、
きちんと正しい手順を踏んで本人に展開し、かつお客様に対して
納得が得られるような説明をすることが必要だと思います。

そしてお客様が是非にと望むのであれば、Ｈ君に歓送会のひとつ
でも開いてあげればいいじゃないですか。


それとあとひとつ、もし新しく来るベテランが全くの期待外れで、
Ｈ君が国内の他の会社へ移って大活躍なんかした場合には
それこそお客様の逆鱗に触れることは覚悟してください。


以上のことを全部わかったうえで、責任を取る覚悟があるのなら
あなたを「浦和レッズの監督」
と認めてあげましょう。