彼らの動向は前から気になっていた。



一時は存続の危機さえ囁かれ、多少持ち直した今だって経営が安定したという話は聞かない。 毎年活躍した主力選手を他チームに引き抜かれ（かくいうウチの大黒柱だってここの選手だったわけだし） レンタルと他チームの契約切れ選手で賄うので顔ぶれががらりと変わる。


一度も最下位になったことがない（それはそれで凄いが）ことを自慢しているが、 Ｊ昇格以来一度も上位に顔を出したことがないのもまた事実である。



だけど、彼らに悲壮感はない。

ネット上伝わってくる諸々の噂を第三者として聞く限り、とても明るく、楽しそうなのだ。


ＦＣ水戸ホーリーホック。
彼らはそんな不思議なチームである。




彼らが毎回モンテディオ山形との対戦でサポ同士の掛け合いをやっていることは既にブログ上に書いた。

しかし、それはあくまで彼らが執り行うイベントの一部分に過ぎない。 彼らが行う最大のイベント、それは毎年夏場のアウェイ会場で勝手に行う『納涼漢祭り』である。


このイベントについてはなんとかのwikipediaに記述があるのでそちらの説明をご参照されたい。




ということで、今年は９月２日ザスパ草津とのアウェイゲーム、群馬前橋の敷島陸上競技場で行われた。 以下はそのレポートである。
（画像はすべてクリックすると別窓で拡大します）









午後４時過ぎスタジアムに着くと、アウェイ入場口前は和装に身を包んだ男女でごった返していた。 浴衣、甚平、法被。公式（？）サイトにも書いてあったが確かに普通の服を着ている人の方が目立つほどである。





中には浴衣姿でこのような物↓を持っている人もいて、 少なくともこれからサッカーの試合を観ようとしている人々の集団にはとても見えない。





しかも、青装束の水戸サポに混じって、オレンジ色、黄色等のタオマフを巻いた人たちも少なからずいる。 （因みに上のケロリン持参の人は新潟サポ）


かくいう我々夫婦もレッズサポ仲間のＴさんと誘い合って来ていたのだが、そんな集団の中から見覚えのある顔が こちらに歩み寄ってきた。やはり旧知のレッズサポ仲間２人である。

「え〜なんでいるの？」

しかもこんなネタ↓まで仕込んできていた。やっぱりバカな仲間はいいもんだ。 類は友を呼ぶとはよく言ったもんである。











午後４時半開場。


敷島のアウェイ席は、バックスタンドを仕切られた狭いエリアである。 その中に祭りの旗や提灯が吊るされ、和装の人間が歩き回る。

各自がいろいろ仕込んできたネタを披露している。ますます、この後にサッカーのゲームがあるとは思えない雰囲気になってきた。


以下、見てもらった方が早いので画像を羅列します。



漢祭りのスタンプを作ってきた人（他サポ）





ワタシも捺しました





『他サポ』ゲーフラと法衣姿（和装）の大仏（他サポ）
　　↓





『あひる釣りいかがっすか〜？』と回ってた人（たぶん水戸サポ）





前田ギャルの皆さん（他サポ用注．前田＝監督）





因みに裏はこう





柏以上に斬新なゲーフラ（他サポ）





何故かこういう物もいる





『非公式飲料』も振舞われた（中身はドクターペッパー）





そうこうしてるうちに流しそうめんが始まった。 薬味持参の人、割り箸持参の人、めんつゆのない人、いろいろ入り乱れて必死で喰っている。





他サポによる寄せ書き。
ワタシが確認できたのは、清水、千葉、新潟、名古屋、札幌、仙台、甲府、Ｆ東京、愛媛、の各サポ。 寄せ書きの中にはアルテ高崎とかの名もあった。








そして試合開始の午後６時。

コールリーダーの

「皆さん、Ｊリーグ連合対ザスパ草津の試合にようこそ。」

の声を合図に水戸コア＋他サポ呉越同舟の即席クルヴァが結成された。
いわば『サポたちのオールスター（草津除く）』か。



とはいいつつ我々は他サポ。もちろん水戸の応援などしたことはない。
未知の歌とコール、チャントに必死になって合わせてゆく。

意外に皆真剣である。声を枯らし拳を突き上げ、目を三角にして跳びはねている。

そして前半１３分、桑原のＦＫが草津の壁を抜けゴールマウスへ転がり込むのを目にしたとき、 クルヴァは水戸サポ、他サポ関係なく歓声とハイタッチの嵐になった。



しかし、歓喜はそれが最初で最後だった。



後半退場者を出したあと、立て続けにセットプレイから失点し、終わってみれば１−３。 主審池田の笛がことごとく草津寄りだったのがすごく悔しかったが、 とにもかくにも、３年連続で漢祭りのあった試合で負けてしまったのである。


選手が引き上げたあと、コールリーダーが「すっげー悔しいよ」との声をともに見せた表情に、 ああチームは違えどやっぱサポーターの気持ちはいずこも同じなんだなぁとあらためて感じたのであった。





でもリーダーよ気にするな。
敗戦の原因はきっとワタシたちが見に来たからだよ。

だって、今日が今シーズンの水戸生観戦３回目だが、全部３失点で負けてるし。





ということで、試合結果以外は本当に楽しめた１日であった。 水戸サポにはいつまでもこの素晴らしいイベントと懐の深いその芸風を持ち続けて頂き、 いつの日か是非Ｊ１の舞台で漢祭りを開催してもらいたいものである。 （但しウチでは止したほうがいい、ワタシら異端だからｗ）


最後に、いろいろお世話になった水戸サポ及び他サポ、そして赤い仲間の方々等参加者の皆様に心からお礼申し上げます。




漢の中の漢
出て来いやぁ〜！






（完）








おまけ


漢祭り会場を示すダンマク





ワタシが仕込んだネタ





その後ろ　（ヒント　つ釣男の水戸時代の背番号）