いよいよＷ杯が近づいて参りました。

　　いくら常々興味が湧かないとは公言していても、やはり日本代表の戦いぶりは気になるもの。
　　頻繁に流れる代表絡みのＴＶ番組を観て、あることがどうも気になっています。
　　
　　ヒデってあんなにフレンドリーだったっけ？
　　
　　いつもクールな彼が、にこやかにインタビューを受ける姿を見ていると、
　　言っちゃ悪いがどうも違和感を覚えずにはいられません。さては・・・・・・・・・・・。
　　
　　
　　
　　
　　
　　北風は太陽のことがもどかしくてたまりませんでした。
　　
　　何故あんなに、いつもいつも周りに暖かな日差しをふりまくことができるのか？
　　世の中には嫌なヤツや付き合いたくないヤツがたくさんいるのに・・・。
　　もっと自分に素直になるべきだ、いつもそう思っていました。
　　
　　ある日、北風は太陽に言いました。
　　「おい太陽。ちょうどいま向こうから歩いてくる旅人がいるだろう。
　　あいつは『ますこみ』っていうすごく嫌なヤツだ。
　　あいつを追い返すことが出来るか勝負してみないか。」
　　
　　太陽は笑って答えました。
　　「いいですよ。でも僕にはそんなに嫌なヤツには見えないなあ。」
　　
　　
　　まず、北風が旅人に向かって軽く冷たい風を浴びせました。
　　旅人はあっと言う間に吹き飛ばされてしまいました。
　　「どうだ、俺の勝ちだな。」　北風は言いました。
　　
　　ところがしばらくすると、旅人はまた戻って来て北風の方に向かってくるではありませんか。
　　今度は少し力を入れて冷たい風を浴びせました。また旅人は吹き飛ばされたものの
　　すぐ戻って来ました。その後、北風は何度も何度も風を吹かせましたが、
　　そのたび旅人は戻って来るのです。
　　
　　北風は疲れてしまい、太陽に言いました。
　　「じゃあ太陽、今度はお前の番だ。」
　　
　　
　　すると太陽は、北風があんなに嫌がっている旅人に対しても暖かい日差しを浴びせました。
　　たちまち心地よくなった旅人は、満足した様子ですぐに立ち去ってしまいました。
　　
　　気まずくなった北風が黙っていると、今度は太陽が言いました。
　　「じゃあ北風さん、今度は僕から勝負をお願いしますけどいいですか？」
　　
　　「よし何でも来い。ところで何で勝負するんだ？」
　　
　　すると太陽は「くちジャンケンです！」　満面の笑顔で言いました。
　　北風は力が抜けましたが、勝負に応じることにしました。
　　
　　「ジャ〜ンケ〜ン、グ〜！　うわ〜い、勝った〜！！」
　　素直に喜ぶ太陽を見て北風は思いました。
　　
　　
　　これがこいつのスタイルなんだな。別に俺がとやかく言う問題じゃない。
　　俺だって自分のスタイルを変えるつもりはないけど、たまにはこいつのいいところを
　　見習ってみるか・・・。
　　
　　
　　その日から、北風が吹かせる風がほんのちょっとだけ暖かくなったということです。
　　
　　
　　
　　（完）